現在の支配的な圧力の方向と合っていても、マーケットには3通りのブレイクがある。

●ダマシのブレイク(酷いブレイク、早すぎるブレイク)
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力強くパターンブレイクしたが、十分なフォロースルーが無く、すぐにパターン内に戻ってしまうケース。
このとき、ダマシのブレイクに乗った人の損切りラインはパターン内のすぐ外側にあるケースが多く、またパターン内に戻されたことで損切りする人や逆張りの人達のWの圧力によって逆側へブレイクアウトすることも多い。

ティーズブレイク(鈍いブレイク、少し早いブレイク)
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パターンボックス内の中間地点からのブレイクアウトから、パターンボックス内へ戻ってしまうケース。
このケースはその後のフォロースルーも期待出来るが、すぐにそうなるとは限らない。だからティーズ(からかう、悩ましい、もったいぶる)ブレイクと呼ばれている。
パターンブレイクを期待した順張り組の損切りラインは、ボックス内の中間地点から少し離れた位置になるので、リスクはダマシのブレイクよりは低くなる。
ティーズブレイク後は、ブレイクに反撃した逆張り派の勢いが、ブレイク開始した位置を超えないならば、再びブレイクアウトのためのビルドアップを作り始める可能性が高くなる。

適切なブレイク(正当なブレイク、準備が整ったブレイク)
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パターンボックス内でレンジ上限または下限で更に小さなレンジを繰り返し、パターン内の25EMAも壁になるケース。
こうなると事前にブレイクアウト方向への仕込みがブレイクアウト前に可能となり、損切りラインも近くに置けるため、最も有利なプランとなる。
ただ、このケースはブレイクアウト後に順張り派の利確や逆張り派の損切りによるプルバックが多く、パターンをブレイクした水準に一度戻すことが多い。
パターンボックス内で逆張りをし、ブレイクアウトで含み損を抱えた人が損切りをするところはプラマイゼロになるところやブレイクアウト前の水準が多いと想定出来るし、プルバックの反転を狙う人にとっては順張りで入れるポイントともなり、Wの圧力がかかり、プルバックはパラーンラインで反転することになる。

この図は、ダマシのブレイク、ティーズブレイクがどちらもあり、さらにチャートの波の勢力方向へのビルドアップ(パターンボックス内上限下限での小さな攻防)が出来た好例である。