プルバックの標準的な定義は、現在のトレンドに対して斜めに近い角度で進んでいく調整的な価格スイングである。
代表例は、上記のチャートにある赤矢印部分の戻しのことですね。
ただ、プルバックにも色んな種類があり、以下のような形があります。(他にもあるかも知れません)
- パターンブレイクからのパターンラインへの押し戻し「価格の調整」
リトレースの一般的な割合は、40%~60%らしいが、その価格帯で直ぐに仕掛けるのは避けるべき。
リトレースする価格がそこで止まる保障が無い上に、損切り位置も明確に決められず、必然的に遠い位置に置かざるを得なくなる。下手をするとナンピンを続けて、気がついたらトレンドが反転していたという事態になりかねない。
上に出したチャートと同じチャートを使いますが、理想的なプルバックはパターンブレイクしたレイヤーへの試しがあり、その価格帯でトレンドに逆らわず反転しだすビルドアップを待つことである。
黄色枠内でパターンブレイクしたラインへの試しがあり失速し、ダマシの安値を作り、最後に黄色パターンボックス内で25EMAに抑えられて、プルバックで買ったブル派の逃げ売りと、ベア派の売り増しのWの圧力がかかり下へ抜けた。
リトレースのやり方は色々あると思う。
パターンラインまでの戻しを待ったり、フィボナッチを引いて割合を計ったりして、その時の相場に合わせたやり方をしないといけない。
当然、パターンラインを超えてしまったり、フィボナッチであればエクスパンションしてブレイクラインを超えてしまうケースもあるが、大きな波の流れが変化する基準を予め持っておくことで仕掛けるべきか否かの判断はその都度出来る。
- 価格が全くリトレースしない「時間の調整」
パターンブレイクして上昇を始めるが、そのリトレースがほぼ無く、横へ進むという時間の調整の後、更にもう一段上へ上昇した。
リトレースが無く、時間の調整だけでジワジワとトレンドが進む、トレンドの勢いとしては最も強い形。
- レンジ相場での上下の動きのその半分
大きなトレンドの中で発生するレンジとなるボックスで現れるプルバックの波は、トレンドフォローの波とほぼ同じ数だけ現れる。
上記のチャートの例では、黄色枠内の赤色のラインがプルバックとなるわけだが、プルバックの反転で直ぐに仕掛けてもほとんどが逆張り派に押されていて、適切なビルドアップが出来たのは黄色枠内の右端だった。
黄色枠内の左側のように(例えば急落した長めの陰線のダマシの安値)、適切なビルドアップが出来ない内は更なるフォロースルーが期待出来ないという想定もしておき、レンジになる可能性も考慮すべき。
プルバックの反転と一言で言っても、価格の調整、時間の調整、レンジという少なくとも3パターンがあるので、パターンブレイク後のフォロースルーがどういう動きをするかを見極める訓練が必要なことが分かると思う。
時間の調整とレンジは、ほぼ同じに見えるところが辛い。
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